■ MIDIとは
Musical Instrument Digital Interfaceの頭文字を組み合わせた言葉で、電子楽器やコンピュータ
等のメーカーや機種に関わらず音楽の演奏情報を効率良く伝達するための統一規格です。
MIDIの演奏情報とは、楽器演奏の要素となる「音の高さ、大きさ、長さ」と音色や効果 を、数値化
(記号化)したものです。音楽波形そのものを伝達するのに比べ約100分の1に圧縮された効率の
よい音楽の演奏情報です。MIDI搭載の電子楽器(シンセサイザー等)を演奏すると、そのMIDI OUT端
子からは常に演奏情報が出力され、これを録音(記録)する事が基本的なMIDIの音楽制作です。
通常の音楽録音とは異なり内容は数値化されたデータですから、変更編集が可能です。編集可能な
音楽制作はMIDI活用の最大の特徴です。そして鍵盤楽器によって演奏されたデータも、コンピュー
タのマウスやテンキーで打ち込まれたデータもMIDIにとっては同じ数値です。音楽制作の場も録音
スタジオから机の上へと移り変わり、これがDTM(デスクトップミュージック)と言われる所以です。
電子楽器とコンピュータを結ぶMIDIは、現代の音楽制作に大いに貢献しています。もちろん、DTMに
は無くてはならない存在です。音楽制作が専門家だけのものでは無くなり、誰にでも音楽制作を可
能にしたのも、MIDIのメリットです。
MIDI、それは日本の電子楽器メーカーが、海外のメーカーと共に協議、検討し実現した世界共通の
規格です。
MIDI、それは最も合理的な音楽の伝達方法であり、楽譜(5線譜)と共に、国境、人種、言語を問
わず、音楽を伝える事が出来るのです。この為、MIDIは楽器の世界以外でも注目を集めています。
この『MIDI規格』によって電子楽器の世界が飛躍的に成長し、コンピュータ・ミュージックも発展
し、通信カラオケの世界も開けてきました。
■「MIDI」の活用
1)「MIDI」は電子楽器と電子音楽の世界共通の「ことば」です。MIDIに対応していればどこの国
の楽器でも、どこのメーカーの楽器でも「会話」ができます。
・例えば「A」のデジタルピアノが「B」のシンセサイザーにMIDIで話し掛けます。
「Cの音を8分音符で鳴らして下さい」、すると「B」のシンセサイザーはそのとおりに鳴り
ます。
・このMIDIの中味はデジタル信号。楽器の「MIDI IN」「MIDI OUT」「MIDI THRU」という接続
端子から出入りします。
2)MIDIは電子楽器だけでなくコンピュータとも「会話」ができます。だからパソコン音楽が楽し
めるのです。
・パソコンでMIDIの音楽データを作ります。それをMIDI音源やデジタルピアノなどの電子楽器
に送れば音楽を奏でてくれます。逆に電子楽器の演奏を「音楽データ」としてパソコンに送
り、記憶させておくこともできます。
・さらに、パソコンの中に入っている音楽は、インターネットで、遠く離れた場所、海外へも、
瞬時に送る事ができますし、受け取る事もできます。
3)MIDIは楽器やコンピュータの世界にとどまらず、いろいろな分野へ広がっています。
・街のカラオケルームに「通信カラオケ」が導入された当初は、お店にMIDI音源がおいてあり、
カラオケの演奏データはMIDIで送られていました。現在ではカラオケ採点機能において、
MIDIデータの譜割と、マイク入力の音声を比較することによって、より精緻な採点が可能に
なり、人気を集めています。
・携帯電話登場の頃は着信メロディの送受信に活用されていましたが、現在ではiPhoneやiPad
にはcoreMIDIというMIDIドライバ機能が搭載され、 Androidでも多くのMIDIアプリが作られ
ています。
・また、テーマパークやアミューズメント・スペースでの自動演奏装置の多くはMIDIシステム
によるものです。
・さらに、MIDIシステムは、照明装置や、各種スイッチングの自動制御装置とも連動し、ステ
ージやホールなどでも活躍しています。
・そして、最近ではWeb上でAUDIO&MIDIが動作するWeb Audio API&Web Web MIDI API
を利用してこんなイベントも
そして2013年2月には、誕生から 30 年を迎える MIDI を、梯郁太郎 &Dave Smith 両氏がメーカー
を問わない共通規格として制定に尽力され、その後の音楽界に多大なる貢献をしたことが評価され
グラミー「テクニカル賞」を受賞されました。
また、近年、コンピュータの世界でもWebブラウザ上で動作するアプリケーションの普及が進み、
WebブラウザからMIDIを扱うため、Web MIDI API(Application Programming Interface) の実装も進
められています。また、Bluetooth LEもMIDI規格のRP(Recommended Practice):推奨応用事例と
して、日米のMIDI規格管理団体である、AMEI/MMAにて正式に承認され、各電子楽器メーカーもBLE-
MIDI対応製品を発表。ワイヤレスでMIDI接続が可能な機器の登場等、今後ともネットワーク環境の
進化と共に新規技術開発の検討も含め、MIDIの普及及び音楽産業の発展に努めてまいります。
【 FME World( Future MIDI Expansion )DEMO 】
【 DRONE Control by MIDI under FME world 】
このように、時代とともにネットワーク環境は大きく変化し、大容量データの高速での送受信が可
能となった現在でも電子記譜情報としてのMIDIの価値は、コンピュータミュージックの進化の過程
で淘汰される事なく世界標準としての地位を確立してきました。そして2017年6月、MIDI規格は、
新しいデバイスやHTML5の登場とともに、それらの上でMIDIを動かす為、世界中で様々な検証・実験
が行われており、国際市場における互換性確保の為にも国際標準規格化に取り組み、2017年6月IEC
国際標準規格IEC63035:2017 MIDI (musical instrument digital interface) specification 1.0
(Abridged Edition, 2015)として認定されました。
■2019年1月19日「MIDI2.0」の開発・規格化を発表
一般社団法人音楽電子事業協会 (AMEI) と The MIDI Manufacturers Association(MMA)(米国 MIDI
管理団体)は、従来の MIDI 規格に、新たに拡張性を持たせたプロトコルなどを含んだ次世代の
MIDI として「MIDI 2.0」 の開発・規格化および実装作業を進めていくことを発表しました。
MIDI2.0とは
■2019年5月システム・エクスクルーシブID会員募集
一般社団法人音楽電子事業協会 (AMEI) は、システム・エクスクルーシブID会員の募集を開始しました。
・システム・エクスクルーシブIDとは
・「システム・エクスクルーシブ・メッセージの使い方」
・System Exclusive Manufacture's ID 会員リスト
■2019年12月電子楽器100年展「MIDIの現在と未来がわかるセミナー」
「MIDIの現在と未来がわかるセミナー」
1983年に提唱された「MIDI規格」が36年ぶりにアップデート。
現在のMIDIの最前線や、最新の「MIDI 2.0」を
専門のエンジニアが音と映像で詳しく解説
日時:12月15日(日)15時00分 開始(約90分間を予定)
会場:国立科学博物館 日本館2階講堂
講師:一般社団法人 音楽電子事業協会 MIDI規格委員会
【その1 一般社団法人 日本音楽電子事業協会(AMEI)について&MIDI規格の主な歴史】
【その2 次世代のMIDIについて】
【その3 MIDI検定&エクスクルーシブID会員について】
MIDI認定制度はMIDI規格を広く一般社会に普及啓蒙する事を目的に、規格内容の認識・活用レベル
を標準グレード化してMIDIを活用できる人材を数多く創出する事を目指して平成11年度よりスタート
しました。当初のグレードは初級クラス3級からのスタートでしたが、現在までに最上級クラス1級~
入門クラス4級まで制定され、各クラスにあった検定制度のガイドブックの充実も図られ、検定試験
会場は全国の主要都市で開催されるまでになっております。
スタート以来の受験者総数は34,000人を超え、その中から140人の方が最上級資格者として活躍が期
待される1級合格を果たし(平成29年4月現在)、既にMIDIを活用する協会会員企業をはじめ各企業で実
力を発揮して活躍されています。
MIDI検定制度を通じて多くの方々がMIDI規格を正確に認識し、資格保持者が求められたニーズに合っ
た世界で活躍され、MIDI規格の更なる普及啓蒙のメディアとして多くの方々が活用下さる事を願って
MIDI検定サイトを運営して参ります。
■こちらに令和元年度MIDI検定の内容/スケジュールについて掲載しました。
■こちらに令和元年度MIDI検定指導者講座の内容/スケジュールについて掲載しました。