NAMMビジネスツアー
今年で3回目を迎えたMIDI規格委員会主催による、NAMM
ビジネスツアーには17名の方々が応募され、1月27日から2月2日まで、米国NAMM
Winter Marketの視察、MIDI規格の協議制定を行っているMMA(MIDI
Manufacturers Association)総会への参加、AMEI/MMA双方提案の検討及び次世代のMIDIに関する討議をおこなうための
Meetingの開催、特にAMEI提案のGM2,SMF
with
Lyrics がロゴを含めMMA総会にて承認されるなど意義深いツアーであった。
1. NAMM Winter Marketについて
1月28日より1月31日まで、ロサンゼルス・コンベンションセンター(会場面積43,200u)で「1999
NAMM International Music Market」が盛大に開催された。
開催期間中は、天候にも恵まれ、NAMM当局の発表では、前年出展社よりも9社増の1,202社、また入場者数は、若干減少(昨年比-1,753人)したものの61,407人を記録した。来年度のNAMMショーはロサンゼルスでの開催が決定しているが、2001年以降、拡張改装工事された、従来のアナハイムコンベンションセンターに戻ることに決定した。
2. MMAとのMeetingについて
● Unofficial Meeting
1月28日(木)15時から、ダウンタウンにあるオムニホテルにてIEEE1394への双方の取組み確認、この分野でのAMEI
/ MMA協調について確認を行った。
1月30日(土)13時からオムニホテルにてAMEI
MPWG、MMA TLWG計8名が出席してMeetingを開催した。
まず、一昨日のMeeting結果を再確認した後、TLWG
/ MPWGの背景及び近況、今回TLWGから提案されたItem#155
( MIDI Over Alternate Media Transports)に関することなどが話し合われた。結果、AMEI
MPWGとMMA TLWGは今後もっと近寄った形で協同していくこと、その為にメールによる遣り取り以外に年3-4回の顔合わせたMeetingを持つこと、次回は5月に開催することが決定した。
● Official Meeting
1月30日(土)Unofficial Meetingに引き続き16時から同ホテルにてOfficial
Meetingを開催した。 出席者はMMAから Tom White,
James Grunke, Athan Billias, Rick Choen,
Keiko Ikeda, AMEIから亀山征二、児島昭一、藤森潤一、本庄義治、山内和豊、相馬大三郎、佐藤康朗,
神川信郎, 中島安貴彦, 飛河和生, 池内順一,
高橋 健の17名であった。
まずMMA Tom White会長及び亀山MIDI規格委員会委員長より挨拶、出席者自己紹介のあと、1998年度両協会の以下の事業報告があった。
[AMEI] MIDI World '98、MIDI検定3級試験、MIDIのJIS化
[MMA] DLS-2 / MPEG4、MIDI Task Force、Watermarking
続いて、明日開催予定のMMA総会で審議される案件について話し合った。
その結果、AMEI提案のGM2 / SMF / SMF
Lyricsのロゴについても追加審議することとなり、予定されていたItem#155(
MIDI Over Alternate Media Transports)については審議取り止め今後も検討を加えていくこととし、明日の総会にはAMEI提案のSMF
with Lyrics, GM2及びその関連提案を含めた15件が審議されることとなった。
最後に今後の課題について意見交換が行われ、AMEIの1394Trade
Associationへの参加希望、DLS2テストサイト、MIDI2.0などについて熱心に話し合われた。
3. MMAの総会について
1月31日(日)7時30分のBreakfastから、オムニホテルにてMMA総会が開催された。出席者はMMAメンバー約40名とAMEIからのオブザーバー出席者であった。総会は、ゼネラルセッション、クローズド
セッション、アフタヌーンセッションの3つに分かれ、夜8時近くまで開催された。
● Full Breakfastの後、会員以外の参加も可能なゼネラルセッションがExecutive
BoardメンバーChairmanのJames Grunkeの司会で9時より開催され、Tom
White会長によりMMA及びAMEIの活動について報告があった。
● 10時より会員のみ参加可能なクローズドセッションが開催され、最初にExecutive
Board Member及びTech. Board Memberの選出が行われ次の各氏が選出された。
[ Executive Board Member ] James Grunke,
David Oren, Athan Billias, Bob Starr
[ Tech.
Board Member ] Bob Lee, Rick Cohen,
Jim Wright,
Joe Bryan, Bennett Sikes, David Van
Brink,
Dave Sparks
続いてBob Lee氏により下記の事項についてボーティングが進められた。
・Iteam #123 General MIDI Level 2 AMEIから指摘の一部を修正することで承認された。
・Iteam#146 Scale/Octave <GM2>
反対意見もなく承認された。
・Iteam #147 Defaults for Sound Controllers
<GM2> 反対意見もなく承認された。
・Iteam #148 Controller Destination
Setting
<GM2> 一部変更点を含めた形で承認された。
・Item #149 Key-Based Instrument Controllers
<GM2> 反対意見もなく承認された。
・Item #150 Global Parameter Control
<GM2>
一部を含め修正することで承認された。
・Item #151 Master Fine/Coarse Tuning
<GM2>
反対意見もなく承認された。
・Item #152 Modulation Depth Range
<GM2>
反対意見もなく承認された。
・Item #153 Redefinition of CC91 and
CC93
<GM2> 反対意見もなく承認された。
・Item #140 Downloadable Sounds Level 2 正誤表が配布され、説明あった。これらの変更を含め た上で、反対意見なく可決された。
・Item #92 New MIDI Implementation
Chart
一部変更点を含めた形で承認された。
● 誰でも参加可能なアフタヌーンセッションが13時30分から開催され、約40名の参加者のもと、AMEIからの1394/USBプレゼンテーション及びデモンストレーションを開催した。
まず、児島MPWGリーダーからMPWGの活動内容、1394/USBの概要などの説明があり、その後USBおよび1394を応用したworking
prototypeのデモがあり、MMAに対しても、MPWGの活動についてアピールし、MMA内の関連グルー
プへの協調を働きかけた。
デモの内容は次の通り。
デモ1. Audio & Midi on USB TEACのMTRとディジタルミキサーに、RolandのUSBボードを組み込み、USBによるミキサーの制御と、ソフトシンセからの音声をUSB経由でミキサーに送ってミックスダウンするデモ。
デモ2. Multiple MIDI Cable on IEEE1394 Yamahaの1394ボードにマイコンボードを取り付け
8系統の独立したMIDIケーブルを1本のIEEE1394ケーブルに多重化して伝送するデモ。
デモ3. Audio & MIDI on IEEE1394 Midi World
98のデモシステムにTEACのDA98を加え、オーディオデータとMIDIデータをIEEE1394で伝送するデモ。複数の音源、エフェクトが同期演奏する様子と、MMCコマンドによる自動レコーディングのデモも行った。
デモ4. Music Instrument and AV device
on
IEEE1394 MIDIコマンドでDV-camのプレイ、ストップをリモートコントロールするデモ。
AV機器との連動という新しいテーマに取り組んだ。