イベント報告

IEEE1394デモブース


 社団法人音楽電子事業協会MIDI規格委員会ミュージックプロトコルワーキング グループ (MPWG )のブースでは、昨年 に引き続き、IEEE1394 を用いた次 世代のMIDI+オーディオのシステム の実験デモンストレーションが行わ れ、注目を集めていた。   IEEE1394とは?
(以下の記事及び写真はMPWGより雑誌「楽器商報」9月号へ寄稿いたしました。)

IEEE1394デモを見学する人々

IEEE1394デモブース
古山俊一氏によるIEEE1394デモを見学する大勢の人々。 ユーザーの 期待度の高さを表している

主催者(社)音楽電子事業協会のIEEE1394デモブース。 IEEE1394を使ったMIDIとオーディオの伝送をアピールしていた。

デモを行う古山俊一氏 古山俊一氏が各社の試作品を実際に操作しながら、IEEE1394の特長を わかりやすく解説していた。

 昨年に引続き試作品を出展した潟Rルグ、 河合楽器製作所、ローランド梶Aヤ マハ鰍フ他、DTM系では、潟Xタイ ンバーグジャパン、アップルコンピ ュータ鰍ェ、レコーディング機器系 ではティアック鰍ェ、新たに参加。 各社の用意した試作機が、実際に、 たった一本のIEEE1394ケーブルによ って接続され、マルチトラックのデ ジタルオーディオとMIDIが、リアル タイムで同時に相互に流れる様子を、 個々の機器を実際に動作させながら デモして見せた。 用意されていた機器群は、実際のレ コーディング現場に近い構成に仕立 て上げられており、素材づくりから エフェクト処理、試聴、トラックダ ウンなどの工程を、古山俊一氏によ る小気味よい進行で、順を追って、 くわしく解説していた。 試作機の中には、現行のMIDI機器や、 アナログ機器をそのままの形でこの 1394システムに組み入れて使うこと を可能にする「ゲートウェイ」と呼 ばれる機器も含まれており、従来機 器との接続性や、親和性についても 問題がないことを示していた

出展された各種機材:
 IEEE1394インターフェイスを装備した、コルグTR Rack、ローランドJV2080、 ティアックDA98の試作品。 リアパネルのIEEE1394端子を壁のミラーに写し て展示。  IEEE1394インターフェイスを装備したカワイK5000Rの試作品と、従来の 電子楽器をIEEE1394に接続するためのゲートウエイの試作品(ティアック、 ヤマハ)  IEEE1394インターフェイスを装備した、ヤマハO3Dの試作品
 ローランドが試作した、IEEE1394でダイレクト接続できるモニタースピーカ (リヤー面)。  ローランドが試作した、8本のMIDIケーブルをIEEE1394に多重化する装置。

セミナー「IEEE1394の音楽機器への展開」

← フェア初日に開催されたIEEE1394技術セミナー。 壇上には、IEEE1394の 試作品を出展したヤマハ、ローランド、コルグ、カワイ、ティアックの 技術者が並び、メーカー間の垣根を越え、AMEIの基での協力が行われて いることをアピールしていた。

 一方、デモを担当した同MPWGは、別 室にて、このIEEE1394 に関する技術セミナーも開催していた。 有料のセミナーにも関わらず、こち らも多数の受講者を集めていた。 受講者の中には、レコーディングや 楽器の愛好者のほか、設備機器メー カーや電子部品などの関連メーカー からの参加者も見受けられ、デモで は紹介されなかった、技術的な内容 についての解説に耳を傾けていた。 実際に試作機の製作に携わった各メ ーカーの技術者も壇上に顔をそろえ、 各々、この技術の可能性や利便性、 市場性などについて、レコーディング スタジオ、音楽教室、コンサート機 材、家庭向けピアノなどへの具体的 な応用の例を挙げ、コメントを述べ ていた。 同協会では、電子楽器業界に止まら ず、ひろく、その他の電子機器の業 界とも連携しながら世界規模での規 格策定に、積極的に取り組んでいる。 一例として、IEEE1394の国際規模の 主幹団体であるIEEE1394トレードア ソシエーションにも、随時、メンバ ーを派遣し、音楽関連分野への応用 を推進する立場から、多数の提案を 行ってきていることなどについても 紹介されていた。

 IEEE1394とは?
 IEEE1394とは、高速のホームネット ワークの世界規格のひとつであり、 民生機器の業界や、コンピュータ関連の業界などが、多数、参画して標準化を進めている、国際規格である。 リアルタイムで動画や音声を同時に 何本もやりとりできる高速さと、ケ ーブル接続を非常に単純化できる点 が各方面で高く評価され、次世代の ネットワークの担い手の最有力候補 として、熱い期待が寄せられている。 すでに、一部では、普及がはじまっ ており、デジタルビデオカメラなど では、”DV端子”あるいは、"i-LIN K端子"として知られている。 コンピュータ関係では、G3マッキン トッシュが"Firewire"の呼称で、 IEEE1394の標準搭載を開始しており、 一方のWindows陣営でも、Windows98 2nd editionを皮切りに、そのサポー ト強化するとしている。

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